第一夜 ep1-3
とある路地裏で、今まさに子供が一人、人攫いに遭い、部屋へと押し込まれようとしていた。
塀の上から偶然それを見た男、ミハイルは、身軽に人攫いたちに狙いを定めて飛び掛かった。
ミハイル「よっ ほっと 」
飛び膝蹴りを食らわし、男が一人横に吹っ飛び、その勢いのまま箱に突っ込む。驚いたもう一人の男が振り向く間も無く横からこめかみを手刀で人並み以上の力で打ち込まれ卒倒する。
ミ「ハッ!しまった!寝ぼけざまに悪意を感じてつい……ん?」
服の裾を引っ張られ、見ると子供がいた。
ミ「ガキ と クズ…」
そうつぶやいて2つを見比べるとかつての記憶が見えた気がして酷く不愉快な顔をする。
ミ「そうか 人攫いかこれ」
ロッテ「わーーーーん!!」
ミ「おうおう 泣ける元気はあるか 俺みたいに ならなくてよかったなボウズ …ん?俺みたいに…?…」
そう言いながら子供を持ち上げ肩車をする。少女は頭の毛を引っ張ったり叩いたり。
ミ「いてて」
ロッテ「シャルロッテはボウズじゃないいいぃいい!!」
ミ「わかったから落ち着けって ロッテ!」
ルクスが本部へ入る時、ロッテを連れたミハイルが本部前を通りかかり丁度、出会う。
ロッテ「あ!ルクス神父さまー!」
ルクス「ロッテ!?それに貴方は…」
ミハイルはシャルロッテや一見博物館風なここが教会関係とは知らず驚く。
(ゲッ…教会関係かよ!? …?ん?この男…どっかで会ったっけ……?)
ミ「なんだ知り合いか よかったな」
ルクス「ロッテどうしてこんなところに?」
ロッテ「えっと あの その ごめんなさい…」
ミ「怒ってやるなよ神父様 ロッテはアイザック神父サマを心配して付いて行こうと迷子になったんだ 」
アイザックを追い迷子になった少女。
少女はルクスに会うまでの道中、ミハイルに最近のアイザックの様子を語っていた。
ロッテ「ロッテね 帰ってくるたび悲しい顔が増えてくアイザック神父さまが心配なの だから 守りたくて 付いて行こうとしたの 迷子になっちゃったけど」
ミ「ロッテは優しい良い子だ なら今回の方法が危なかったのはわかるな?」
ロッテ「…うん」
ミ「賢くなれ そうしたら次は失敗しない方法を見つけられる」
ロッテ「…う"ん"」
前に怪我した際に助けられた少年を思い出す。
ミ(…まさかあいつのことだとはな)
ミハイルはルクスに単刀直入に問う。
ミ「あいつに何があった 話せ」
ルクス「・・・・・・そうですね あなたにはきっと知る権利がある」
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